月額課金型LMSでは年間数百万円の負担になっていた研修コストが、買い切りLMS導入後わずか数十万円で運用可能に――。本記事では、実際に導入経費を約90%削減した製造業B社の事例を基に、コスト最適化のポイントと導入プロセスを詳しく紹介します。
1 B社の概要と導入前の課題
項目 | 内容 |
---|---|
事業内容 | 精密機器の製造・販売 |
従業員数 | 230名 |
本社所在地 | 愛知県 |
既存研修 | 外部eラーニングサービス(1ユーザーあたり月1,000円) |
導入前の悩み
- 受講者増加とともにランニングコストが年間約276万円へ膨張
- 既存LMSではデザイン変更や機能追加が不可
- 研修動画やテスト結果データを自社サーバにバックアップできない
2 買い切りLMS導入の流れ
- 要件定義(2週間)
受講者数、必要なレポート、権限管理、将来の機能拡張を整理。 - 試算と稟議(1週間)
既存LMS3年間の総費用と買い切り案を比較。稟議決裁を取得。 - システム構築(4週間)
- 自社専用クラウド環境にLMSをインストール
- 社内SSO連携、オリジナルスキン適用
- SCORM・動画ストリーミングプラグインを実装
- 教材移行と社内トレーニング(2週間)
既存コンテンツ280本を一括移行し、担当者向け操作講習を実施。 - 正式運用開始
3 コスト削減の内訳
費用項目 | 従来(月額型) | 買い切り型(初年度) | 2年目以降 |
---|---|---|---|
ライセンス費 | 年276万円 | 0円 | 0円 |
初期構築 | 0円 | 150万円 | 0円 |
保守・サーバ | 年12万円 | 年12万円 | 年12万円 |
合計 | 年288万円 | 162万円 | 12万円 |
- 3年間累計では
- 月額型:864万円
- 買い切り型:186万円
- 削減率:約89%
4 成功を支えた3つのポイント
- コンテンツ再利用を前提にした設計
動画・PDF・クイズをモジュール化し、他部署でも使い回せる構造に。 - ノーコード運用フローの確立
IT部門に依存せず、教育担当者だけでアップロードと受講管理が可能。 - 学習ログの可視化とフィードバックサイクル
受講率・テスト結果を自動集計し、部署ごとに改善ミーティングを実施。
5 導入効果と社員の声
- 受講完了率:65% → 92%へ向上
- 社員アンケート
- 「研修が身近になった」:84%
- 「自己学習の意欲が高まった」:78%
- 離職率:前年同期比で2.1ポイント低下
- 管理部門負荷:月15時間削減
6 買い切りLMS導入を検討する企業へのアドバイス
- 3年以上の運用シミュレーションで総コストを比較する
- カスタマイズ要件と将来拡張の優先順位を明確にする
- 社内ルール(受講義務、評価連動など)を運用開始前に整備する
- セキュリティポリシーに合わせたサーバ設計・保守体制を確認する
まとめ
買い切りLMSは初期投資こそ必要ですが、長期運用で見ればコストメリットは圧倒的。さらに自社仕様の研修環境を柔軟に構築できる点が、中小企業の人材育成を加速させます。
カイキリEラーニング合同会社では、要件整理から構築、教材移行、運用サポートまでワンストップで対応可能です。eラーニング投資を最適化したい企業様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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